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沖縄戦にスパイはいたのか ? (2)


拙ブログの読者から、

慶良間諸島の座間味島で、日本軍人のスパイがいたという話が『沖縄戦体験記第19号 兄さん死なないで』(宮城恒彦)にあるが、根拠のある話かどうか?

という御質問をいただいた。私見を述べてみたい。

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沖縄戦にスパイはいたのか?


 「スパイ」は便利な言葉である。ほとんどあらゆる不具合はそれで説明出来てしまうからである。この誘惑を断ち切る事がいかに難しいか、一例を挙げよう。苦戦が続くニューギニア戦線のテコ入れを図るべく、1944年4月から竹輸送と呼ばれる一連の輸送作戦が行われる事になった。その初回、これまで使ったことのない航路だったにも関わらず潜水艦の待ち伏せ攻撃に遭い、大損害を蒙った。衝撃を受けた軍は中継地だったマニラへ海軍参謀を派遣、原因調査を行った。しかし、真っ先に疑うべき暗号解読を考慮の外に置き、港湾労働者に潜入したスパイによる通報を原因と結論づけた。冷静な情報分析が可能な時期でもこの有様だから、住民を大規模に巻き込んだ沖縄戦は推して知るべしである。

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どてらい男の沖縄戦


 「どてらい男(どてらいやつ)」は紀州弁で「凄いやつ」を意味し、大阪の商社山善の創業者、山本猛夫氏の立志伝を描いた花登筐の小説のタイトルである。最初『週刊アサヒ芸能』に連載されたが、後に、歌手の西郷輝彦を主役としてテレビドラマ化され、大好評を博した。この「どてらい男」は戦時中、沖縄県の渡嘉敷島にいた。あの集団自決の起きた島である。

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Author:さんげつ
技術系の某役所を退職後、あり余る時間を使い、妄説探索の旅へ。理系老人の怪刀乱魔。

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