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曽野話法 - 砂上論法を斬る(5)

得意技を封じられると

 「事実は争わず人を攻める」の得意技を封じられると曽野綾子氏は著しく精彩を欠く。典型例を挙げよう。高校日本史教科書『新日本史』の執筆者である家永三郎氏は教科書検定に関して国を相手に裁判を起こした。この第3次裁判で、沖縄戦での住民犠牲が争われ、渡嘉敷島の集団自決を扱った「ある神話の背景」の著者である曽野氏は、1988年2月に国側証人として出廷した。

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曽野話法 - 砂上論法を斬る(4)

事実は争わず、人を攻める (2)

 もう一つ例を挙げよう。

 沖縄戦を扱ったノンフィクション「鉄の暴風」の著者の一人である太田良博氏との間で、1985年に沖縄タイムス紙上で行われた論争である。曽野綾子氏の「ある神話の背景」は「鉄の暴風」を全面的に否定したが、この論争で太田氏は「ある神話の背景」を批判、曽野氏が反論、太田氏が再批判した。

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曽野話法 - 砂上論法を斬る(3)

事実は争わず、人を攻める

 産経コラムに限らず、曽野綾子氏の書き物はよく物議を醸す。しかし、騒ぎには超然としていることが、論壇の大御所としての立ち居振舞いである。仮に論戦に参加する場合でも、曽野話法の特性- 砂上論理 -をわきまえて行動する。すなわち、根拠が薄弱であるため事実関係は争わず、短期決戦、鎧袖一触の構図を作りだす。

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曽野話法 - 砂上論法を斬る(2)

短く、断定的に、繰り返して

 産経コラムの前半部は、「移民の法的規制の制度を作らねばならない」が結論である。その上で「外国人と居住を共にするということは至難の業だ」と続け、コラムの末尾で改めて「居住だけは別にした方がよい」と繰り返す。こう書かれれば、法かあるいは契約で、居住を別にする様な制度設計を曾野綾子氏は提唱していると読むのが普通だろう。

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曽野話法 - 砂上論法を斬る


 曽野綾子氏の産経新聞のコラム「労働力不足と移民」がアパルトヘイトを称揚したとされ、南アフリカ共和国の大使から抗議を受けるなど、国際的な問題になった。仮にきちんと立論されていれば、彼女の主張 - 居住区は白人、アジア人、黒人に分けた方が良い - は倫理の問題をさておけば検討の対象になり得るが、そうでなければ無責任なアジテーションである。彼女の論法-「曽野話法」と呼ぶ- が論理かどうか調べてみよう。

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Author:さんげつ
技術系の某役所を退職後、あり余る時間を使い、妄説探索の旅へ。理系老人の怪刀乱魔。

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