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曽野話法 − 砂上論法を斬る(18)

後出し(2)

対立する2つの主張を並べた時、後に出した方が強く印象に残ることを述べた。このテクニックを使うと主張の対立するA氏とB氏に対して、根拠らしい根拠がなくとも、A氏を優位に立たせることが出来る。B氏の一連の主張をぶつ切りにした上で、それぞれにA氏の反論をつけて再構成するのだ。曽野綾子氏はこのテクニックを『ある神話の背景』で使い、自決命令を出したとされる赤松氏に肩入れした。

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曽野話法 − 砂上論法を斬る(17)

後出し

本連載には、話法と論法の2つのキーワードがある。両者は一体不可分といっても良いのだが、強いて言えば、話法には全体的な構成、論法には局所的な展開という意味を持たせている。これまでで曽野話法を概ね紹介し終ったので、これから論法に焦点をあてることにする。論法と言えばいわゆる詭弁テクニックが想起されるが、曽野オリジナルはないものの、彼女なりの工夫がある。まず、「後出し」から始めよう。

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曽野話法 − 砂上論法を斬る(16)

神のみぞ知る、故に私はかく述べる (2)

神のみぞ知るものに他人の心中がある。曽野話法を使えば、窮地に陥った人を「ああ見えても心の中では」と救い出すことができる。

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曽野話法 − 砂上論法を斬る(15)

神のみぞ知る、故に私はかく述べる 

曽野綾子氏が聖書の一節を引用しても多くはアクセサリーだが、神を切り札的に使用することがある。神を持ち出して、全てを相対化した後に自説を述べるのである。

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曽野話法 − 砂上論法を斬る(14)

もっと大変な人がいる

 「日本で貧困はありえない 世界に目を 甘えを捨てよ」(日経2009.3.11)がその典型。アフリカの例を引きながら、「貧困とは、その日、食べるものがない状態、 日本には世界レベルでいう貧困な人は1人もいない」と主張する。もちろん、こうした曽野綾子氏の発言は、物議を醸した。

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Author:さんげつ
技術系の某役所を退職後、あり余る時間を使い、妄説探索の旅へ。理系老人の怪刀乱魔。

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