8割削減とは何だったのか? 新型コロナの伝染病モデル (3)
8割削減を打ち出した専門家会議資料によれば、日々マスコミによって報告される感染者数は接触率削減後ただちに減少に向かうのではなく、しばらく増大を続けてピークを打ちその後減少に向かう。
この時間遅れは感染してから隔離されるまで間があくためのように見えるが、これは正しくない。実際、ブログ(2)で紹介したSIRモデルで削減問題を扱うと、そうした時間遅れは発生しない。
現実にはSIRモデルの想定とは異なり、感染者が他者を感染させる力や隔離される速さは感染後の経過日数に依存する。特に、感染後しばらくはほとんど他者を感染させず、またPCR検査が原則有症者を対象とするため、無症状の5日程度はほとんど隔離されない。これらが時間遅れの原因である。今回のブログでこうした状況を扱えるようSIRモデルを拡張する。
昨年の流行時に欧米でロックダウンかそれに近い措置、我が国では緊急事態宣言に伴う措置が取られたが、感染者数の減少がモデルの予期したものだったかどうかを検討する。
スポンサーサイト