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8割削減とは何だったのか?  新型コロナの伝染病モデル (1)


 新型コロナ感染者の急増を受けて、1月7日、関東の1都3県に対して緊急事態宣言が発せられた。 昨年4月7日に続いて2度目になる。前回に比して、感染状況はずっと深刻で、 よほど強力な措置を講じなければ、感染の抑え込みは容易ではないと見られる。
 前回、強力な措置の表象として、スローガンのように打ち出されたのがいわゆる「8割削減」である。4月7日に7都府県に出された緊急事態宣言は、4月16日に対象地域が全国に拡大され、4月22日の専門家会議「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」で8割削減の方針が打ち出された。
 ところがこの「8割削減」が何を指すのかは人によって違っているように見える。ブログ人は8割削減とは人と人との接触を8割削減することを指していると理解した。しかしテレビを見ていると人出の8割削減を指しているようである。人出を8割削減すると、その中の感染させる人も、感染される人も共に8割減、つまり元の数字の2割になるので、効果は$0.2\times 0.2 =0.04$、つまり削減率は $1-0.04 = 0.96$ で9割6分減になる。
 一方、専門家会議の資料は別のことを言っている。図1.1は専門家会議で示された削減後のシナリオである。この図は、削減率を8割と6割5分にした場合の感染者数の推移を示しているが、削減率は、基本再生産数 ${\mathcal R}_0$ -- 1人の感染者が隔離されるまでに感染させる平均的な人数-- に対するものとして定義されている。これは、「人と人との接触の削減率」と同じなのだろうか?

コロナ図1.1

図1.1 接触が削減された場合のシナリオ(専門家会議資料)


20日後に接触率の削減(削減率8割と6割5分)を行った場合の新規感染者数の時間変化。

 さて、この図に実は困った。縦軸は新規感染者数であるが、凡例には「感染日」と「報告日」の2つがあり、したがって、「感染日別の新規感染者数」と「報告日別の新規感染者数」の2種類あることになる。おそらく役所用語だと思われるが、これらが何を指すのかブログ人には分からなかった。図1.1を何とか理解したいというのがそもそもの出発点である。これに、どの程度の影響があるか知りたかったこと


  • • 発症前に感染させる。

  • •  感染しても発症しないか、ほとんど症状がない人がかなりいる。

  • •  人から人への感染だけでなく、物を介した感染経路が存在する。


のほか、いくつかのトピック(GoTo トラベル、エピセンター、K値に基づく予測、Googleの予測等)にも足を延ばした。備忘録のつもりだったが、興味を持ってくださる方もいるかもしれないと思い、長らく開店休業だったブログに連載することにした。


 順序として、基本的なところを押さえてからトピックに移るのが望ましいが、退屈な話が続くことにもなりかねないので、トピックは「新型コロナの話題」という別シリーズで並行的に連載する。
 内容から、数式を使わざるを得ないが、図とその説明、各節末のまとめを読めば、謂わんとするところはご理解いただけることを期待している。
 なお、ブログ人は仕事の関係で数理を多少扱った経験はあるが、伝染病そのもの、況やウィルス云々に関しては全くの門外漢である。そのため頓珍漢なことを言っている可能性があるが、ご叱正賜れば幸いである。


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技術系の某役所を退職後、あり余る時間を使い、妄説探索の旅へ。理系老人の怪刀乱魔。

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